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西加奈子の小説集「おまじない」の中に「孫係」という話があって、その中でおじいさんがこんなセリフを言った。
「娘だし色々気遣ってくれるのは嬉しいんですけど、こうもまっすぐ愛情をぶっつけられたら、すごく疲れるんですよ。私も一人になりたい。」
ここ最近恋人に気を遣いすぎて、親切の押し売りをしていたよう思う。もっと自然体に接して、求められていることを求められているタイミングでしてあげられるようになりたい。
先月読んだ「誰かと暮らすということ」という本にもこんなセリフがあったなあ。
「男が中途半端なのって一番いけないんだよ。勇気も優しさも、勝負どころで気前よく使わないと。そうしなないと、ぐじぐじするだけで何もできなくなるもん。」
「思った時に思ったことをしてくれるのが恋人だけど、期待はずれなことをしちゃうのも恋人じゃない。」
理想の自分
読書サークルの活動に初めて参加する予定だったのだが、めんどくさくてブッチしてしまった。理想の自分を描いて、そんな自分ならどうするだろうかと考えて行動しようと心がけていたのだが、今日はそれができなかった。
毎日が選択の連続だ。一つ一つの選択が自分を今の自分たらしめていくのだろう。自分を好きになれる選択を少しずつでも増やしていきたい。
今日はツイッターとインスタグラムとしょうもないゲームのアプリをスマホから消すことができた。
できる限り悩まない
日記を書き始めようと思ったのは、小山田咲子さんのブログ本「えいやっ!と飛び出すあの瞬間を愛してる」を読んだからだ。まだ最後までは読みきれていないのだが、書きたいと思ってできる限りその衝動が薄まらないうちに書き始めなければ、どうせ書かずに終わるのだ。
ぼんやりと心に溜まっている感情を文字化して浄化するため、思ったことをテンポよく表現する訓練のため、日常に思ったことの記録のために書く。
日記を書くにあたって気をつけたいことがある。
とにかく形式にこだわらない。時系列がおかしくなっても構わないし、スマホで書こうとパソコンで書こうと、短かろうと構わない。適当でも不格好でもいいので、どう読まれるかなんてあまり気にせずに思ったことを書こうと思う。
ダブリン最東端を目指す旅
ダブリンの生活のもろもろにつかれを感じ、この一週間できる限り人との関わりを減らしてひたすらカフェや公園で本を読んでいた。それでもアイルランド人は噂に聞く通りフレンドリーだ。
"コンニチワ! 日本人かい?"
"なんの本読んでるの?"
ひとり公園でサンドイッチを食べていてもカフェで本を読んでいても図書館でCDの棚を眺めていても声をかけてくれる。もちろんこういったことは嬉しく、つたない英語でなんとか彼らとの会話を楽しむ。アイルランド人は本当におしゃべりが好きだ。
それでも一週間も本ばかり読んでいるとさすがに気が滅入ってきて、週末はちょっと離れたところまで出かけようと計画した。リフレッシュしたいときは海に行くものだと相場が決まっている。ダブリンはアイルランドの東に位置する港町だ。せっかくだったら東の果てまで行って海を見てこよう。
街のいたるところに設置してあるレンタサイクルは3日間使い放題で5ユーロとかなりのお値打ちだ。乗り心地はお世辞にも良いとは言えない。これを借りてダブリン最東端を目指し出発した。ちょっとしたものでもやはり旅立ちの瞬間はいつも胸が踊る。
ダブリンの中心を東西に流れるリッフィー川に沿って東へ東へ走り続ける。港が近づくと大きな工場や船が目に入ってくる。次第に空気も川の水も汚くなる。こういった汚い部分があるから僕たちは町で快適な生活を送れるのだ気づく。
悪臭立ち込める工場廃水
さらに自転車をこぎ続けると潮の香りが風に漂ってきて、やがて砂浜にたどり着いた。
お気に入りのドクターマーチンを脱ぎ捨て裸足で浜を歩くと砂の柔らかい感触が気持ちいい。少し照れながらも周りに合わせてシャツを脱ぎ、上半身裸で砂浜に寝転がると背中が暖かい。風が通り抜けお腹は涼しい。
小一時間ほど流れる雲をぼうっと眺め寝ていると貧しいクリエイティビティがふつふつと湧き上がってきた。女体の制作にとりかかるも、思う以上の速さで潮が満ちてきた。片乳が完成したところでそれは波に消えていった。
波に消えていった片乳
塩潮の満ち引きと、雲を運ぶ風を感じ、日本にいる友達はそろそろベッドに入る時間だろうかと思うと、紛れもなく地球は回っているのだと気づく。
砂浜を離れ、また自転車のペダルを踏む。最東端はすぐそこだ。
最東端が見えてきた
こうゆうのを岬と言うのだろうか。この先にある赤い灯台がダブリン最東端だ。
5分ほど歩けば着くだろうと見込み、自転車を停め歩き始めたが、近くに見えた灯台は意外と遠かった。
15分も歩いてやっとたどり着いたそこには、がたいのいい釣り人たちや、肩を寄せ合うカップル、犬を連れた家族。意外とたくさんの人がいた。人はみんな端っこが好きらしい。
最東端にそびえる真っ赤な灯台と釣り人達
最東端に腰掛けさらに東に広がる海を眺めていると、向かいのグレートブリテン島、つまりはイギリスからやってきたと思われるフェリーが大きな汽笛を鳴らして近づいてきた。船の名前はユリシーズ。アイルランド文学を代表する小説のタイトルだ。
イギリスとアイルランドをつなぐユリシーズ号
太陽の光を十分に浴び、沈んでいた気持ちはしっかりと元気を取り戻した。
また新しい月が始まる。
スペイン横断の旅 サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼
僕
寂しがりだが人見知り、目立ちたがりだが恥ずかしがりというジレンマに苛まれ生きてきた。
そんなジレンマを解くためにとりあえずブログを始めてみた。
僕は21歳、都内私立大学に通う大学4年生。になるはずだったが、いろいろと思うところあり4月から大学を休学してワーキングホリデービザを取得し、今はイギリスのお隣の国アイルランドの首都ダブリンにてこの文章を綴っている。
ダブリンでの生活、旅の記録、本や映画や音楽について書いていくかもしれない。
大学ではバンドサークールに所属して、下手なりに楽しく歌ったり、ドラムを叩いたりしている。エレファントカシマシ、andymori、ブルーハーツ、ウルフルズ、サンボマスター、ゴイステなどボーカルが汗臭そうなバンドが好き。
休日は基本的には自室に引きこもる。お笑いやプロ野球の動画を見たり、本を読んだり映画を観たりしていると日が暮れている。たまに浮世を離れたくなり旅に出ることもある。2年前に船旅という形で世界一周という夢を叶えることができた。人と違うことしたがり。かっこつけたがり。最近はまっていることはランニングと瞑想。